日本に移住してから、間もなく21年になります。引っ越す事が決まってから、リビングに大きなダンボールを置いて、少しずつ荷物を作っていた事を覚えている。母はそのダンボールを見ながら、何年日本にいるのか、と問いかけてきたが答えられなかった、、。自分にも分からなかったからでしょう。a Journey of no Return になるとは当時思ってもいなかったが、日本での生活は上手くいくかどうか、自信もなかったです。
違う国へ移住する事は最大の冒険に違いない。言葉や伝統文化の違いだけではなく、自分の過去、それまでの生活や付き合い、全て後に残して、旅立ってしまう決心です。
当時空手の道場長になっていた私は日本で本当の空手に出遇う事を願っていた、それがきっかけとなりました。居合いに出遇い、尺八の世界に触れ合い、そして真宗の教えに生きる、袈裟をかける身となった今です。お寺の住職にまでなるとは、とても思わなかったです、、。住職として歩めるようになり、半年になったが、喜びも心配事も、両方共に増えたと実感しています。
もはや自分一人だけの歩みではなく、門徒さんと共なる歩みになりました。「ご院さん」と呼ばれる度に、不思議な仏縁に導かれて、恵まれている自分であると感謝の気持ちが湧き上がる。今まで応援してくださった法友、これから導いてくださる善知識、この道を与えられたことを感謝しなければなりません。
未熟者ながら、法話依頼までして頂く事になり、日本中の門徒さんと触れ合いを持つ事は何より有り難い事であって、一番の学びとなっています。こんな私をいつも信じて頂いて、本当に恵まれている。
今年は准堂衆の資格を得る事で、大きな目標に達成します。と言えども、学ばなければならない課題は山ほど沢山です。その中の一番重要なのは、住職として高雲寺の先頭に立ち、ご院さんと呼んでくださる門徒さんに育てて貰いながら、少しでも恩返しできるよう、ご院さんとしての役目を果たす事です。