20年も日本に住んでいると、故郷の存在は心中少し薄れてしまうこともありながら、その景色や料理は常に懐かしいです。
生まれた場所はいつまでも故郷として心に残るのは当然です。しかしそれと同時に、日本は少しずつ新しい故郷となってきます。
It’s like living in two worlds at the same time. 

最初のころは定期的スイスに里帰りしましたが、母の安楽死以来は帰っていないです、、。よく説明できないですが、帰る気持ちになりませんでした。しかし、そろそろ帰る時がきたと感じています。
帰る時は、間衣輪袈裟でしょうね〜

外から見えない「心の傷」とどう向き合うかは、なかなか難しいです。
母に対する怒りはなかなか消えないですが、その怒りや悲しみは新しい世界に出遇わせてくれた事も事実です。

何を心のよりどころとして生きているのかについては何もなければ考える事はないでしょう。

母の安楽死の独断がなければ、私もきっと僧侶の道を歩む事はなかったでしょう。
悲しみが縁となり、自分に拠り所を与えてくれる教えに出遇えました。
また、その教えは自分自身に向き合う事を教えてくれました。

自分自身の心を知っていくということこそが自分と向き合うということでしょう。
そして、初めて 「どう生きるのか」と課題が見えてくるように感じています。

私という「在り方」を見つめる、そのことを仏様に聴いていくのが浄土真宗の教えだと学びました。

決して簡単な事ではないですが、今後とも私なりに歩み続きたいと思います。
求める心があれば、きっと出遇わせて頂けると信じています。
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