高雲寺にて前住職に出遇い直す日々。就任式も終わり、昼間賑わっていた高雲寺は夜になるとひっそりとしたお寺になり、虫の鳴き声以外何の音も聴こえない。そういう時は薄暗い本堂に座り、前住職の釋了勝さんの事を考える。会った事もないので、どんな考えを持っておられたのか、何を大切にされたのかと、色々想像している。実は、「ジェシーとよく似た性格だったよ」と総代さんに何回か言われた、、。その言葉を聞いて嬉しく思う。跡継ぎが見つからずに、かなり落ち込んでおられた、という話しも、、まさか、外国人女性が跡を継ぐとは、思わなかったでしょう!「了勝さん、こんな私でいいのかしら? 未熟者の住職でごめんなさい」と声をかける。私の歩みを見守って欲しいと願っているからでしょう。
了勝さんの書かれた「高雲寺便り」を読みながら、時々笑ってしまう、、。了勝さんの文章を読み、何となく親しみを感じる。
了勝さんが特に長い時間を過ごされた、住職の部屋、、亡くなった後、役員さんは畳みを入れ替えたが、その部屋で寝るとなると、ちょっと躊躇ってしまい、布団を座敷に引っ張っていく、、。了勝さんの部屋だから、。
「違うよ、今はあなたが住職だから、使って良いよ」と前住職に励まされているかのようだ、、。分かった!では、この部屋で寝させてもらう!不思議に、座敷より落ち着いて寝れた。

息子が跡継ぎの場合はおそらくお父さんを思い出しながら住職の役を果たす子が多いのでは、と思います。
前住職知らなかった場合は、やはりその存在が気になるでしょう。長年にわたり、この寺を支えて来られたからこそでしょう。前住職の存在を感じて、多少意識する事も珍しくないと思う。

生きている間、一度会いたかったな、直接お話しを聞きたかったなあ、その気持ちが残っている。

前住職の書かれた文章を通して、了勝さんに出遇い、彼が望んでいた跡継ぎになるように、努力して行きたい思いでいっぱいです。
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